生命維持装置である人工呼吸器に関する事故防止対策(案)について

平成12年12月28日
厚生省医薬安全局安全対策課
審査管理課

 厚生省では、医療事故防止のため、種々の取組を進めておりますが、医薬品、医療用具その他医療現場で使用される製品の名称や容器、仕様について、医療事故を引き起こしにくいものに改めることも防止対策のひとつになるものと考え、これを具体化していくシステムの構築を進めているところです。具体的には、これら製品に関連した医療事故事例の情報を医療の現場から幅広く収集し、これらの事例をもとに、医薬品の名称や医療用具の仕様などについて改善できる点はないか検討し、製品の改良を実現していこうとするもので、具体的な検討の場として「医薬品・医療用具等関連医療事故防止対策検討会」を設置して検討を行っています。これまでの本検討会での討議内容を踏まえ、人工呼吸器に関する医療事故を防止するために、別紙の対策を講じる予定です。
 つきましては、本対策案に関して御意見のある場合には下記により提出して下さい。
 なお、いただいた御意見に対して個別の回答はいたしかねますので、その旨御了承願います。

1 募集期限

 平成13年1月9日(火)から平成13年1月31日(水)(必着)
 ※ 1月9日(火)より前に下記提出先に提出しても届かない場合がありますので、御留意下さい。

2 提出方法

 意見提出用紙の様式により、以下に掲げるいずれかの方法で提出して下さい。

○ファクシミリの場合
 ファクシミリ番号:03-3508-4364
 厚生労働省医薬局安全対策課あて
○郵送の場合
 〒100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2
 厚生労働省医薬局安全対策課あて
○電子メールの場合
 電子メールアドレス:www-admin@mhlw.go.jp
 厚生労働省医薬局安全対策課あて
 (ファイル形式はテキスト形式でお願いします)


[意見提出用紙]

厚生労働省医薬局安全対策課あて

「生命維持装置である人工呼吸器に関する事故防止対策(案)」に対する意見

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※ なお、いただいた記載内容は、住所、電話番号を除きすべて公開される可能性があることをご承知おき下さい。


(別紙)

生命維持装置である人工呼吸器に関する事故防止対策(案)

<はじめに>

 人工呼吸器は、疾患や外傷等により、患者自身による呼吸(自発呼吸)が維持できなくなり、酸素と炭酸ガスの交換に障害が起きた時に、人工的に換気運動を代行または補助したり、酸素化を改善するために、患者の肺に空気等を送り込む装置である。対象患者としては、自発呼吸が全くない患者から自発呼吸はあるが補助が必要な患者まで幅広く用いられるが、機器によって対象となる患者の症状は異なっている。人工呼吸器には、既に各種警報機能の整備など安全機能が多数搭載されているが、自発呼吸がない患者に使用される人工呼吸器については、その機能が損なわれた場合、すぐに患者の生命が危険に曝らされることから、より十分な安全対策が必要とされる。

<対策案>

 自発呼吸のない患者に使用される人工呼吸器に関する事故防止対策として、I.機器の構造、機能に関する事項及びII.機器の適正使用に関する事項の2つの観点から、以下の対策をとることとする。
 なお、Iについては、薬事法第42条第2項に基づく基準を制定し、II(2.(3)は除く。)については、通知する予定である。


[目次]

I.
機器の構造、機能に関する事項

 警報機能等に係る要求事項の基準化

II.機器の適正使用に関する事項

1.生体情報モニタ−の併用

2.人工呼吸器の適切な設定、操作等を促すための対策

(1)警報設定に関する注意喚起シ−ルの貼付
(2)簡易取扱説明書の添付
(3)人工呼吸器の安全使用のための普及・啓発活動の実施
3.保守点検等の適切な実施を促すための対策
(1)定期点検済みシ−ルの貼付
(2)チェックリストの作成


I.機器の構造、機能に関する事項

警報機能等に係る要求事項の基準化

 人工呼吸器には、呼吸回路の外れや漏れ、閉塞など、換気が正常に行えない異常が発生した場合には、その異常を検知し、警報を作動させる各種機能が備えられているが、この警報機能に係る医療事故として以下のようなことが起こりうる。

(1)気道ケア終了後の警報設定の問題

 気管切開チューブ等の呼吸回路を装着して人工呼吸器を使用している患者は、自発的に痰を取り除くことができず、30分〜1時間毎に痰を取り除く介護(いわゆる、気道ケア)が必要とされる。気道ケアの際には、一時的に呼吸回路を患者から取り外すため、警報機能が作動し、一般的に大きな警告音がするが、深夜の病棟等における介護の場合、他の患者を起こしてしまうおそれ等の理由から、警報機能を一時的に停止させて気道ケアが行われることが少なくない。人工呼吸器によっては一時的に警報機能を停止させても自動復帰する警報停止スイッチとして「消音ボタン」を有する製品もあるが、そのスイッチを使用しなかった場合、あるいはそのようなスイッチがない製品の場合には、警報機能を停止させたり警報音量を消音して気道ケアを行うことがある。このような場合、気道ケア終了時に警報機能(警報音量)の復帰を忘れると、警報が停止したまま(警報音量が消音されたまま)になってしまい、その後、機器や回路に異常が生じた場合であっても警報が作動しない(警報が作動しても消音されており聞こえない)こととなる。このため、医療関係者が異常に気づくことが遅れてしまい、患者の生命が危険に曝されることがある。
 したがって、人工呼吸器の警報機能については、気道ケア等の看護・介護時のために警報機能を一旦停止できるが、一定時間後に自動復帰する機能を有するとともに、それ以外の場合には警報機能が停止できず、警報音量も消音できないことが必要である。

(2)電源供給途絶時の警報設定の問題

 人工呼吸器のコンセントが外れてしまっても警報が機能しない場合には、コンセントが外れたことに気づかないことがあるため、人工呼吸器には主電源の供給が途絶された場合の警報機能を有することが必要である。

(3)電源スイッチの保護

 人工呼吸器の電源スイッチは、物との接触等により容易に切断されるものであってはならないため、機器の背面にスイッチを設けたり、スイッチが前面にあっても直接触れることができないようにカバーで覆ったりするなどの対策が必要である。既にこのような対策を講じている製品も多いが、全製品に適用する必要がある。

[対策案]

(1) 基準案
 人工呼吸器の警報機能等について以下の基準※を制定する。ただし、体外式人工呼吸器にあっては、呼吸回路を有さず、気道ケアが必要ないことから1)及び3)を除く。
1)一時消音時を除き、呼吸回路が外れた場合、警報が鳴ること
2)一時消音時を除き、警報音量が消音不能であること
3)2分以内の自動復帰機能を備えた警報一時消音機能を有すること
4)主電源の供給が途絶された場合の警報機能を有すること
5)電源スイッチが接触等により容易に切断できない構造又は機能を有すること

※ 基準としては、薬事法第42条第2項に基づく基準を制定する。同条に基づく基準が定められた医療用具であって、基準に適合しないものについては、製造、輸入、販売等が禁止される。(薬事法第65条)

(2) 製品の改造
 製造(輸入販売)業者は、既に出荷済みの製品について、速やかに改造方針を検討し、医療機関に改造の必要性を説明するとともに、改造が済んだ製品には医療事故対策適合品のシールを貼付する。
 また、今後出荷する製品(上記基準を満たした製品)についても同様に医療事故対策適合品のシールを貼付する。

II.機器の適正な使用に関する事項

1.生体情報モニタ−の併用

 人工呼吸器には、呼吸回路の外れや漏れ、閉塞など、換気が正常に行えない異常が発生した場合には、その異常を検知し、警報を作動させる各種機能が備えられている。このような機器自体の警報機能とは独立して、患者自身の血中酸素濃度の低下や呼気の排出がないなどの異常をとらえて警報が作動する生体情報モニターとして、パルスオキシメーター(患者の動脈血酸素飽和度をモニターする機器)やカプノメーター(呼気中の炭酸ガス濃度をモニターする機器)を併用することが、患者に対する一層の安全対策として考えられる。

[対策案]

 人工呼吸器を使用する際には、「警報機能付きパルスオキシメ−タ−」または「警報機能付きカプノメ−タ−」を併用する旨を添付文書に記載し、製造(輸入販売)業者は、当該添付文書を医療機関に配布する。

2.人工呼吸器の適切な設定、操作等を促すための対策

 人工呼吸器の設定、操作方法、警報が作動した時の対応など、機器の取扱いにあたっては、当該機器について十分な知識が必要である。必要事項は取扱説明書にも記載されているが、適切な設定、操作等ができるよう、使用者の理解の助けとなるような以下の対策をとることが必要である。

(1)警報設定に関する注意喚起シ−ルの貼付

[対策案]

 警報がセットされていなかったり、警報設定が誤っていたりすると、呼吸回路の外れや漏れが生じても、適切に警報が作動しないため、発見が遅れてしまうことがある。このため、患者へ供給される吸気ガスの圧力をモニターしている低圧警報又は患者から排出される呼気ガスの換気量をモニターしている低換気警報の動作確認と適切な設定を促すための「注意喚起シール」を人工呼吸器に貼付する。

(1) 注意喚起シール
 製造(輸入販売)業者は、以下のような内容の注意喚起シールを作成する。ただし、低圧警報の代わりに低換気警報が装備されているものについて「低換気警報の動作確認と適正設定」とする等、その装置の実状に合わせて記載内容を変更する。
注意喚起シール様式

(2) 貼付場所
 注意喚起シールは、人工呼吸器の前面等、見やすい位置に貼付する。特に、警報設定ダイアルの近くに貼付することが望ましい。

(3) 適用時期
 今後出荷する製品については、全てに注意喚起シールを貼付する。また、既に出荷済みの製品については、修理・点検等の機会をとらえるなど、順次、製造(輸入販売)業者が貼付する。

(2)簡易取扱説明書の添付

[対策案]

 呼吸回路の接続方法、人工呼吸器の使用方法、警報が作動したときの対処方法等、機器の取扱いに関して特に重要な点をわかりやすく記載した「簡易取扱説明書」を詳しい取扱説明書とは別に作成し、製品ごとに見やすいところに備えるよう徹底する。

(1) 簡易取扱説明書の記載内容
 簡易取扱説明書の主な記載内容は以下のとおりとする。
・呼吸回路の接続方法の図解、注意点の明記
・ 操作パネル面の図示、ツマミ、スイッチ類の概要
・ 使用前、中、後のチェック項目
・ 警報の内容とその対処方法
・ 緊急使用時に標準的な換気条件を速やかに設定する方法
・ 機種固有の特徴、特に注意が必要な事柄

(2) 適用時期
 今後出荷する製品については、全てに簡易取扱説明書を備える。また、既に出荷済みの製品については、修理・点検等の機会をとらえるなど、順次、製造(輸入販売)業者が備える。

(3)人工呼吸器の安全使用のための普及・啓発活動の実施

[対策案]

 人工呼吸器の安全使用のためには、製造(輸入販売)業者による取り組みだけではなく、人工呼吸器の関連業界や関連学会による協力も得て、使用者に対する安全使用のための普及・啓発に努めることが必要である。
 したがって、従来より日本医用機器工業会で実施してきている安全セミナ−に関して、これまでに全く開催されていない地域を重点的にピックアップして、順次安全セミナ−を開催する。
 また、厚生省は、今般の人工呼吸器の事故防止対策について、使用者に対する対策の徹底と普及への協力を関係学会に依頼する。

3.保守点検等の適切な実施を促すための対策

 人工呼吸器は耐久性のある医療機器であることから定期的な点検が必要であり、使用に際しては、使用前、使用中、使用後の点検が必要である。このような保守点検等を適切に行うことにより、機器の異常などの発生を未然に防止し、人工呼吸器を適切かつ安全に使用できるよう、保守点検等の実施を徹底させるための対策をとる必要がある。

(1)定期点検済みシ−ルの貼付

[対策案]

 定期点検を適切に行うためには、定期点検がいつ実施されたものか、また、次回の点検がいつ実施されるのかについて医療関係者が容易に確認できることが必要であることから、これらを記載した「定期点検済シール」を人工呼吸器に貼付する。

(1) 定期点検済みシール
 製造(輸入販売)業者は、以下の事項を記載した定期点検済みシールを作成する。
・製造(輸入販売)業者が指定する定期点検基準に則った定期点検を行った年月日(積算時間)
・次回の定期点検の予定年月日又は積算時間
・定期点検実施者
定期点検済みシール様式

(2) 貼付場所
 人工呼吸器の前面等、見やすい位置に目立つように貼付する。

(3) 適用時期
 定期点検済みシールが貼付されていない製品については、次に定期点検を行った際に貼付する

(2)チェックリストの作成

[対策案]

 日本医用機器工業会が作成した全ての人工呼吸器に共通する使用前、使用中、使用後点検のチェックリスト(別添)をもとに、製造(輸入販売)業者は、各製品ごとのチェックリストを作成し、医療機関へ配布することにより、使用に際しての点検の徹底を促す。


(別添)

1. 使用前の点検

目的患者に装着する前に、人工呼吸器や加温加湿器、ならびに付帯するすべてのものが、安全に正しく作動することを確かめる。

A) 駆動源
点検項目 内 容 合否
1.供給電源の警報の確認 電源プラグがコンセントに差し込まれていない状態で、電源スイッチを入れた時、供給電源の警報が鳴ること。(例:電源遮断、供給電圧低下など)  
2.電源の確保 電源プラグやコードに破損などがないこと。
電源スイッチを切った状態で、電源プラグを所定の電源コンセントに差し込む。
 
3.供給ガスの警報の確認 空気および酸素の耐圧管に破損などがないこと。
空気または酸素のいずれかの耐圧管をガス供給源につなぐ時、供給ガスの警報が鳴ること。
(例:供給ガス圧低下、空気・酸素供給圧異常など)
 
4.供給ガスの確保 空気と酸素耐圧管を所定のガス供給源につなぐ。
双方の供給圧が適正な時、供給ガスの警報が鳴らないこと。供給ガス圧力計がある機種では、双方の値を確認して記録する。
 

B) 呼吸回路・加温加湿器
点検項目 内 容 合否
1.呼吸回路の接続確認 清潔で破損などがない完全な呼吸回路セットを、取り扱い説明書に従って正しく接続する。  
2.加温加湿器の準備と確認 取り扱い説明書に従い、加湿チャンバーのセットアップ、滅菌蒸留水の注入など必要な操作をする。
人工鼻を使う場合は、使用前の点検がすべて終了してから使用直前に所定の部位につなぐ。
 
3.気道内圧計のゼロ指示確認 人工呼吸器を作動させていない状態で、気道内圧計がゼロを示していること。  
4.テスト肺の接続 清潔で破損などがないテスト肺を呼吸回路の患者接続部につなぐ。  
5.加温加湿器の動作確認 加温加湿器の電源スイッチを入れて、温度設定など必要な設定を行う。  

C) 換気動作の確認
点検項目 内 容 合否
1.電源投入 電源スイッチを入れた時、電源ブレーカー作動やヒューズ遮断がないこと。  
2.呼吸回路の気密度の確認 呼吸回路内を一定の圧力で保つ気密チェックができる機種で行う。  
3.換気条件の設定 調節呼吸のみとなる換気モードを選び、必要な条件設定を行う。
酸素濃度、呼吸回数、吸気・呼気時間、一回(分時)換気量(従量式で使う時)、最大吸気圧(従圧式で使う時)、PEEP/CPAP
 
4.換気動作の目視確認 3.で設定した条件で作動していることをテスト肺の動きを見て確かめる。この時、異常な動作音や異臭がないこと。  
5.酸素濃度の確認 酸素濃度計を用いて供給酸素濃度を測って記録し、許容される誤差内にあること。  
6.換気量の確認 換気量モニターやスパイロメータを用いて、一回または分時換気量を測って記録し、設定値と実測値が許容される誤差内にあること。  
7.気道内圧の確認 気道圧モニターや気道内圧計で最大吸気圧、PEEP/CPAPを測って記録し、設定値と実測値が許容される誤差内にあること。  
8.手動換気の確認 手動換気を行うごとに呼吸回路にガスが送られ、テスト肺が膨らむこと。  

D) 警報動作の確認
点検項目 内 容 合否
1.気道内圧警報の確認 C) 3.で設定した換気条件に従って上限および下限警報を設定する。換気条件を変えないでそれぞれの警報設定を変える時、警報が鳴ること。
(例:気道内圧上限・下限、低圧・高圧)
 
2.換気量警報の確認 C) 3.で設定した換気条件に従って上限および下限警報を設定する。換気条件を変えないでそれぞれの警報設定を変える時、警報が鳴ること。
(例:一回または分時換気量上限・下限)
 
3.酸素濃度警報の確認 C) 3.で設定した酸素濃度に上限・下限警報を設定する濃度設定を変えないでそれぞれの警報設定を変える時、警報が鳴ること。
(例:酸素濃度上限・下限)
 
4.回路はずれ時の警報確認 患者接続部を大気開放にした時、気道内圧の低下を示す警報が作動すること。
(気道内圧下限、低圧、あるいは無呼吸)
 
5.消音動作の確認 気道内圧あるいは換気量に関する警報を作動させ、消音スイッチを押してから所定の時間が過ぎた時、再び警報音が鳴ること。  

E) 使用直前の最終チェック
点検項目 内 容 合否
1.加温加湿の状態 患者接続部において、適正な温度にガスが暖められ、且つ十分な湿度があること。  
2.ネブライザー動作の確認 ネブライザーから噴霧される薬液が患者接続口に到達していること。
ネブライザー動作により、換気条件の見直し・変更の必要がある機種では、取り扱い説明書に従って行う。
 

2. 使用中の点検

目的:人工呼吸器や加温加湿器が設定通りに作動していること、ならびに呼吸回路などに異常がないことを確かめる。確認は以下の時期など定時的に実施すること。

・患者の状態の記録時、入浴後の再設定時などの看護、介護後
・警報の作動時

A) 呼吸回路・加温加湿器
点検項目 内 容 合否
1.呼吸回路の確認 呼吸回路のチューブやコネクター類の接続がしっかりしており、ひび割れや破損がなく、リークがないこと。  
2.加温加湿器の動作確認 設定温度や湿度で安定していること。滅菌蒸留水の補給を要する機種では加湿チャンバー内の水位をチェックすること。人工鼻の場合、交換時期に備えて新しいものを用意する。  
3.呼吸回路内の過剰水分の排出 呼吸回路内に水の貯留などが見られる時、回路内ウォータートラップからこれらを排出する。必要であれば、呼気弁も点検すること。  

B) 換気動作の確認
点検項目 内 容 合否
1.換気条件の設定 医師から指示された設定条件が維持されていること。  
2.換気動作の目視確認 患者の胸の動きと気道内圧計の指示を見て、所定の換気動作が行われていること。また、異常な動作音や異臭がないこと。  
以下3.〜6.は患者より呼吸回路をはずして行う場合もあるので、必ず容態を確認し、医師の許可を得ること。
3.酸素濃度の確認 酸素濃度計を用いて供給酸素濃度を測って記録し、許容される誤差内にあること。  
4.換気量の確認 換気量モニターやスパイロメータを用いて、一回または分時換気量を測って記録し、設定値と実測値が許容される誤差内にあること。  
5.気道内圧の確認 気道圧モニターや気道内圧計で最大吸気圧、PEEP/CPAPを測って記録し、設定値と実測値が許容される誤差内にあること。  
6.手動換気の確認 手動換気を行うごとに呼吸回路にガスが送られ、テスト肺が膨らむこと。  

C) 警報設定の確認
点検項目 内 容 合否
1.警報条件の設定 医師から指示された設定条件が維持されていること。  

3. 使用後の点検

目的:患者からはずした後で、人工呼吸器や加温加湿器ならびに付帯するものに、不具合や破損が生じていないことを確かめる。すなわち、次回使用のための安全を確保する。

A) 呼吸回路・加温加湿器
点検項目 内 容 合否
1.呼吸回路の取りはずし ディスポーザブルのものは廃棄し、リユーザブルのものは定められた方法で消毒と滅菌を行う。  
2.加湿チャンバー、人工鼻の取りはずし これらはディスポーザブルである場合が多いので、廃棄する。  
3.機種固有部品の扱い 取り扱い説明書に従い、新品との交換、あるいは消毒や滅菌を行う。  
4.加温加湿器の作動停止 必ず先に電源スイッチを切り、コンセントから電源プラグを抜くこと。破損した箇所がないこと。
薬液や血液で汚染された箇所があれば、清掃すること。
 

B) 人工呼吸器
点検項目 内 容 合否
1.人工呼吸器の作動停止 必ず先に電源スイッチを切り、コンセントから電源プラグを抜くこと。破損した箇所がないこと。
空気と酸素耐圧管を供給ガス源からはずす。耐圧ホースや接続部に不具合や破損がないこと。
薬液や血液で汚染された箇所があれば、清掃すること。
 
2.定期点検時期の確認 積算時間計あるいはメンテナンス記録を見て、製造元等の定期点検時期にある場合、速やかに製造元や業者に連絡する。  
3.取り扱い説明書 人工呼吸器や加温加湿器、および付帯するものについての説明書がいつでも見られる状態になっていること。